iOSのEvernoteが新しくなって思うこと

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最近、iOS版のEvernoteがバージョン8になり、だいぶ画面構成が変わりました。私は、ようやく使いやすくなったなと感じました。

従来バージョンと新バージョンの違い

以下のスクリーンショットは、従来バージョンと新バージョンの起動直後の画面です。

従来バージョンでは、ホーム画面があり、そこから「新規ノート」「ショートカット」「ノートブック」「ノート」「タグ」などの画面に移動していました。デスクトップ版のサイドバーがホーム画面になったようなイメージでしょうか。

それに対して、新バージョンでは、起動時にノート一覧が表示されるようになりました。また、画面下部にタブが表示され、「ノート一覧」「ノート検索」「新規作成」「ショートカット」「設定など」にワンタップで移動することができます。

 

従来バージョンはとても手間で、正直使いやすいとは思えませんでした。例えば「○○というノートブックにある××というノートをみたい」という場合は、ホーム→ノートブック一覧→ノート一覧→ノートという段階を踏まなければなりません。

それに対して、新しいEvernoteアプリは、起動時にノート一覧が表示されますので、ノート一覧→ノートブックを選ぶ→ノートという段階で済みます。

 

手間がひとつ減っただけと思われるかもしれませんが、違います。

例えば、「ノートを見ている状態から、ショートカットに登録したノートを見たい」とします。前バージョンの場合は、ノート画面からホーム画面まで戻って、それからショートカット画面を出して、ノートを選ぶという手間がかかります。

新バージョンなら、ノート画面からひとつ戻れば、画面下部にタブがあるので、そこからショートカット画面に移動できます。

多くの方が考えるEvernoteの利点は、たくさんの情報をひとつにまとめてインプットできるという大前提の利点に加えて、ショートカットでも検索でもノートブックでもタグでも、さまざまなノートの探し方で情報にアクセスできることだと思っています。

そのため、ノートの探し方によって何回もタッチしたり戻ったりする従来の仕様は、Evernoteのよさが半減してしまうと思っていました。今回のアップデートによって、そこが改善され、ノートを取るのも、ノートを探すのも、両方が簡単で手間がかからない方法になりましたので、この点だけでもアップデートして良かったなと思っています。

 

情報の蓄積のために、使いやすいツールに

今回のアップデートは、画面操作がシンプルになったのと同時に、ワークチャットが若干アクセスしにくくなったり、プレゼンテーションモードが無くなっていたりなど、あまり使われていないと思われる機能にてこ入れがされているようです。

 

私がEvernoteを使うのは、以下の3つの理由です。

  • なんでもノートに記録できること
  • 記録したノートをノートブックやタグで整理できること
  • 記録したノートを全文検索すること

よって、ワークチャットやらプレゼンテーションモードが追加されたときには(申し訳ありませんが)「余計なことを……」と思っていました。機能が増えるのは悪いことではありませんが、それによって重くなったり、操作しにくくなったりするのが嫌だったのです。

 

このiOS版のアップデートに限らず、最近のEvernoteはアプリの機能が減ったり、関連するサービスの開発やサポートを終了させたりなど、Evernoteの本質的な部分に力を入れるようにしている印象があります。

今後も、Evernoteには、シンプルで使いやすいサービスであり続けてほしいと願っています。

 

Evernoteはどこを目指すのか

最近、Evernoteは無料ユーザーに制限をかけたり、ノート内容をEvernote社員が閲覧できるようプライバシーポリシーを変更したりなどの騒動があり、Evernoteから類似する競合サービスに移行した方もいらっしゃったのではないかと思います。

 

無料ユーザーに関する制限はお金の問題なのでしょうがないとしても、プライバシーポリシーの件は私も驚きました。(結局プライバシーポリシーは見直しとなりましたね。)機械学習のためとありましたが、Evernoteとしては情報の検索の部分で役立つためのサービスを展開しようとしていたのかもしれません。

 

個人的には、すでにEvernoteがもつ機能で必要十分と考えていますが、やはりそうもいかないということなのでしょうか。

最近のEvernoteには、そんな焦りが見えるように感じます。確かに類似する競合サービスがたくさんあり、単に「何でも情報を蓄積できます」だけではダメということなのでしょう。

 

情報の蓄積から活用へ

Lifehacking.jpの堀 E. 正岳さんが、とても興味深い記事を書いています。

発想を保存するプラットフォームにならなければEvernoteに未来はない
Evernoteについては、先日も、そして新しいiOSアプリについて書いた際にも、「イノベーションが遅すぎる」という文句をあえて書きました。私は一応、Evernoteコミュニティ・リーダーという立場をEvernoteからご指名いただいていますので、それなりに考えたうえでの発言なのですが、代案や提案もなしに文句を書くのも...

「『情報を保存する場所』の先にいってほしい」という内容は、なるほどなと思いました。確かにEvernoteは情報の蓄積は得意ですが、活用となるとまだまだ不十分に感じます。

 

もっとも、個人的にEvernoteは情報の蓄積のためのツールで、そこから何かを考えて生み出すためには別のツールを使うものだと思っているので、現状のままでもまったく気になりません。

スクラップブックの代わりみたいなものですね。あくまで蓄積であって、活用が必要なときは、必要なノートをぱらぱらと眺めながら別のツールで情報をまとめます。

ですから、情報の蓄積も、ノートブックによる整理をするという、若干アナログ的な方法を使っています。検索であったり、関連するノートを表示したりという機能はあまり使っていませんね。

 

Evernoteが目指す機械学習の成果がどのようなサービスにつながるのかはわかりませんが、今後Evernoteに情報の活用のための機能が搭載されていくのなら、試してみたいなと思います。

今回のiOS版アップデートで、本質に照らしてシンプルに回帰したEvernoteが、今後どんな機能を追加するのか楽しみです。

従来通りのアナログ的な情報整理だけでなく、もっとこれからの時代にふさわしい情報整理方法をEvernoteが提案してくれたら、とてもいいなと思います。

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